慶応元年
二十二日、将軍家は入京し、参内された。わが公は先だって参内し、これを迎えた。聖上は小御所に出御あり、将軍家は進んで竜顔を拝し、去年以来、しばしば勅召があったのに、入観の遅緩した罪を謝し奉った。聖上は親しく恩諭の詔があり、且つ「一橋中納言、…
松平肥後守参る。令対面候處、過日之一件断申す仍而コレマテ偽り実に不相済旨申す。且大樹胡服著様城外乗廻し如何マッタク彼告朔ヲ請候モ同様急度相改大樹之首ヲハネ天下ニシヤスヘク実ニニガニガ敷次第実ニ恐入候次第急度昨夜申入候通り急々取計候様申置。…
今日、臨期御評議有之旨触来。殿下右府尹常陸両宮内府一条九条両亜相両役等参集。一橋中納言会津中将桑名少将等参会。会津中将、去日行向之挨拶相互述之此次大樹参内之間儀少々談之。殿下拝謁内々被示合之旨有之。申半許殿下以下国事掛一同両役一統於露台下…